(4) 慣れると、どうってことない。

泳いでいると、絆創膏が沈んでいることはよくあることだ。また、これはあってはならないことだが、明らかに大便が揺らめいていることもある。たった今放出されたばかりの太く長い状態をキープした生々しい物が流れてきたこともあった。子供プールには、水の流れが淀む場所が一か所あるが、乳幼児のものらしい消化の不十分な玉ねぎやもやしの原形をとどめた汚物が、広範囲に撹拌され浮遊を続け、その淀みに集結しグルグル回転していることもあった。プールに通いたての最初の数年は、さすがにそういう時は、心が萎えてしまい即時撤退したものだった。そんな大便が浮遊していたときは、運悪くプールの水を飲んでしまった後だったりする。

 

しかし今は、何が漂っていようとあまり気にしなくなった。いわゆる五十歩百歩だ。いかにきれいに見えていても、老若男女のお互いさまのいろんなエキスが混ざり込んでいるのは当然で、泳ぐときは、鼻ではなく口で呼吸をするので、プールの水を口に含まざるを得ないのだから。これを気にしていたら何も始まらない場所なのだ。